猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)は、細菌やカビなどの二次感染や過剰医療、ストレスなどに注意しながら、上手に病気と付き合っていく事が長生きにつながると言われています。

猫免疫不全ウイルス感染症は、猫エイズと呼ばれる事もありますが、何年もかけて進行する病気ですので、中にはエイズを発症しない無症状期(潜伏期)のまま、一生を終える猫も多く見られます。
エイズの発症には、個体差が大きいと言われてますが、それにはストレスが大きく関係していると考えられています。
猫免疫不全ウイルス感染症の発覚は、飼い主にとっては精神的なショックが大きいですが、過剰な治療や薬剤、無理な給仕方法によってストレスを与えないように注意しながら、衛生的な環境で穏やかに過ごせるように配慮してあげる事が大切だと言われています。


細菌、カビ、ウイルス対策に

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猫免疫不全ウイルス感染症(猫エイズ)の治療、看護

 

現在のところ、猫免疫不全ウイルス(FIV)に対して有効な治療薬(特効薬)はありませんので、口内炎や皮膚炎などの細菌感染によって生じた病状は、抗生物質や抗炎症薬、インターフェロンなどを使用して、症状の緩和を図る措置(対処療法)が行われます。

 

また、嘔吐や下痢、食欲不振などから急激に痩せてきている場合や、衰弱を起こしている場合には、注射や点滴による輸液療法が行われる事もあります。

 

猫は口内炎ができると、硬いご飯を口に入れても痛がってすぐに吐き出したり、食欲があっても食べなくなってしまう事があります。

 

そのため、口内炎によってご飯をあまり食べない場合には、流動食のような液状のご飯や、パテ状(ゼリー状)のウェットフードなどで、少量でも高カロリーのものを与える必要があります。

 

しかし、猫は食に対してとても保守的で神経質ですので、いつも食べ慣れているご飯の種類が急に変わると、それだけで食べようしなくなる場合があります。

 

猫が何度も下痢や嘔吐を繰り返したり、ご飯を食べずに痩せていく様子を見るのはとても心配ですが、シリンジなどで無理に食べさせようとする強制給仕は、猫にとっては強いストレスになります。

 

そのような場合には、いつも食べていたご飯を細かく砕いて小さくしたり、ミキサーでペースト状にするなどして、なるべく自然に食べてくれるように配慮したり、食べるまで気長に見守ってあげる事も大切になってきます。

 

それでも一向にご飯を食べない場合には、シリンジなどで強制給仕を行う必要がありますが、あまり無理強いはしないように注意して行う必要があります。

 

猫は自分の体調が優れずに、体力や運動機能が低下してくると、どうしても警戒心が強くなったり不安な気持ちが強くなるため、長く連れ添った飼い主に対してもストレスを感じる事が多くなります。

 

そして、本能的に体力の温存や回復のために、狭い場所に隠れようとしたり、ひとりでひっそりとたたずむ事を好むようになる事があります。

 

そのため、猫の苦しそうな様子や辛そうな様子を見ながらも、時には距離をおいてそっと見守る方が良い場合もあります。

 

そのようにして、ストレスをあまり与えないように配慮しながら、清潔な環境で二次感染などにも注意して、病気と上手に向き合いながら暮らしていく事が必要になります。

猫免疫不全ウイルス(FIV)は、猫の体外ではとても不安定な状態になり、数分から数時間程で感染力を失うため、感染力はそれほど強くはないと言われています。
猫の排泄物などで湿った場所であれば長く感染力を保つ場合もありますが、太陽光、紫外線、熱、アルコール、洗剤などの一般的な殺菌方法で、簡単にウイルスを死滅させる事ができる事が知られています。